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ノーカントリー

映画題名:ノーカントリー
映画監督:ジョエル・コーエン 、イーサン・コーエン
映画俳優:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン

邦画が続いたので洋画を観ようと思い、コーエン兄弟の新作、ノーカントリーを選択しました。

古き良き時代に保安官になった中年男のベル(トミー・リー・ジョーンズ)が、動機を理解できない凶暴な犯罪に苦悩する姿を通して、世の中の現実(殺人、ドラッグ、金・・・・)を描き出しています。

これがこの映画の主題だと思いますが、そんなことより、偶然に麻薬取引の金を手にした逃走者ルウェリン(ジョシュ・ブローリン)と、それを追う非情な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)の、緊張感たっぷりのシーンがたまりません。実際、映画の大部分はこの二人を描くことで進んで行きます。

自分の絶対的なルールに従い、感情をまったく表に出さずルウェリンを追い詰めるシガーと、タフな精神でそれを振り切ろうとするルウェリンの駆け引きは、とてもスリリングで思わず前のめりになってしまいました。カメラワークやライティングが素晴らしく、見るものをグイグイ引っ張ります。

単純にシガーとルウェリンの追いかけっこだけを描いてくれたほうがおもしろかったんじゃないかな?と思うくらいです。エンディングなんて突然ブツッですもんね。

ルウェリンが「ベトナム帰り」と言うのも映画の背景として重要なポイントなんでしょうが、私にはよくわかりません。アメリカ人ならあうんの呼吸でわかる何かがあるんでしょう。

それとルウェリンとベル、それぞれの奥さんが印象に残りました。
ベルの奥さんは「人を傷つけないでね」と夫を見送り、ルウェリンの奥さんはシガーのコイントスを拒否する強さを見せてくれます。男達は目の前の事象に翻弄されているのに女性は強いですな。

原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」、「中年男が落ち着ける場所はもうない」という意味でしょうか?
とにかく見終わった後にあれこれと考えさせてくれるよい映画だったと思います。

↓缶コーヒーの宣伝ではありません
ノーカントリー


覚書:
映画鑑賞日:2008/3/25(2008#12)
映画鑑賞場所:TOHOシネマズ なんば

解説:
1980年代のテキサスを舞台に、麻薬密売に絡んだ大金を手にした男が非情な殺し屋に追われるサスペンス。監督は映画『ファーゴ』のコーエン兄弟。大金を手にした男を映画『アメリカン・ギャングスター』のジョシュ・ブローリンが、彼を追う殺し屋を映画『海を飛ぶ夢』のハビエル・バルデムが、殺し屋を捕らえようとする保安官をトミー・リー・ジョーンズが演じる。独特の緊迫感と恐怖を演出し、人間と社会の本質をあぶり出すコーエン兄弟マジックが見どころ。

あらすじ:
狩りをしていたルウェリン(ジョシュ・ブローリン)は、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シュガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。事態を察知した保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は、2人の行方を追い始めるが……。